アイ・クリエイツレポート #9
日時 :2002年6月7日金曜日14時〜16時30分 機器展示は11時〜17時
会場 : 東京大学駒場リサーチキャンパス 56号館 101号室
主催 : 東京大学先端科学技術研究センター バリアフリー部門 福島研究室
情報保障 : 手話通訳、パソコン要約筆記、点字・墨字拡大資料
参加費 : 無料。 但し、懇親会参加の場合は会費2000円
スピーカー:
八木陽平 宇宙開発事業団研究員/視覚障害
村千里 コミュニティダンス講師・横浜国立大学大学院生/聴覚障害
熊谷晋一郎 東大病院小児科医/肢体不自由
福島智 東大先端研助教授/盲ろう
コメンテーター:>
廣瀬通孝 東大先端研教授
玉川憲 日本IBM東京基礎研究所
司会:
矢田礼人 東大先端研研究員
機器出展企業(予定): 株式会社KGS、株式会社ナムコ、日本IBM株式会社
問い合わせ:
東京大学先端科学技術研究センター バリアフリー部門 福島研究室
担当:前田
〒153-8904 東京都目黒区駒場4-6-1
TEL. 03-5452-5060 FAX. 03-5452-5062
E-mail:maeda@bfs.rcast.u-tokyo.ac.jp
- 趣旨
- プレゼンテーション
- まとめ
東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー部門福島研究室では、当センターにおいて催される研究公開行事の一環として、バリアフリーに関するシンポジウムを企画いたしました。
本シンポジウムでは、異なる障害を持つ4名の障害当事者のスピーカーが「こんな機械があったらいいな」というテーマでそれぞれの立場から語り、それを受けて、コメンテーターはその機械の実現可能性などについて、
技術者・研究者の立場から分析します。フロア参加者からも自由に質問やコメントを募り、コミュニケーションに重点を置いたシンポジウムを目指します。
さらに、スピーカーのニーズ、すなわち「夢」の実現の可能性があるバリアフリー支援機器を展示いたします。
なお、シンポジウム終了後、会場にて懇親会を開催いたしますのであわせてご参加ください。
八木陽平さん 宇宙開発事業団研究員/視覚障害
提案1 人センサー
理由は、
・電車の空席を捜すため、
・バスの最後尾の席を捜すため、
・プラットホームの出口を捜すため、
・人にぶつからないで歩くため、
・男子用の小用トイレで、前に人がいることをキャッチするために
それに対し、
→盲導犬ロボットとか、腕時計型のウエアラブルコンピュータは如何?
→体温をキャッチする簡単なセンサーは?
とのことだが、体温で感知する場合、動物(犬や猫)や自動車のエンジンなどにも反応してしまうわけだ。
それなら、車のほうに発信装置を設置しておけば良いとのご意見が出た。
南村千里さん コミュニティダンス講師・横浜国立大学大学院生/聴覚障害
提案1 音を感じるめがね型のウエアラブルな機械
聴覚障害なので、会議参加が難しい。
熊谷晋一郎さん 東大病院小児科医/肢体不自由
提案1 関節のたくさんある車椅子
鹿でかくないサイズの車椅子にして欲しい。
提案2 手を使わずに移動できる装置
車椅子を操作するために、片手が常に塞がってしまう。
提案3 急速充電できるバッテリー
現在は、5時間稼動で、5時間の充電時間を要する。
それに対し、
→燃料電池を使用しては?
福島智さん 東大先端研助教授/盲ろう
提案1 音声認識を点字につなげる機械
提案2 離れたところから、合図をする機械
提案3 匂いや振動を、触覚で伝えられる機械
この日、ここに百名近くの研究者、学生、行政、企業、NPO、報道関係者、当事者団体、ボランティアらが集合して、活発な話し合いがなされた。
障害のあるかたの要望は、そんなに実現不可能なことではないということがわかった。しかも、誰にでも使えそうなユニバーサルデザインの装置ばかりであり、夢がある。
文系も理系も、障害のあるなしにかかわらず、領域を超えて、バリアフリーなひとたちが集まって意見交換する場が、こんなにも熱気を帯びていること自体に、新しい時代の幕開けを感じた。
今回は、とりあえずの顔合わせ・・・。今後は、ゆるやかに繋がっていきたいとのことで、心のバリアフリーを地域で実践する私としては、ここで生まれたネットワークの発展を期待している。
2002年6月7日
三竹 眞知子
青葉バリアフリーサポート21代表
最後に、今回のレポートは当社が参加しているパソコンボランティアでお世話になっている、神奈川県横浜市青葉区の「青葉バリアフリーサポート21(ABS21)」の代表者三竹氏にご協力いただきました。この場を借りて三竹氏に感謝申し上げます。(J)
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