メニューリンクをクリックした際に別ウィンドウが次々と開いていくと、どのような事態が起こるのかを説明します。
新しく開いたウィンドウでは、ブラウザの「元に戻る」機能が無効になります。新しく開いたので、戻るべきページが無いからです。一方で視覚障害者にはウィンドウが「新しく開いた」ことが分かりません。つまり、どうして元に戻れないのかが分からないことになります。このような場合、一度ブラウザを終了して、再度起動することになります。ここでもまだ他に開いているウィンドウがあることに気が付かない場合が生じます。すると、今度はどうしてデスクトップに戻れないのかが分からないことになります。こうなるとホームページ閲覧に慣れていない視覚障害者であれば、PCの強制終了を行うことも少なくありません。
視覚障害者は、リンクをクリックした時点で別のページを開く動作をしているものと感じます。元のページに戻るためには、何ページ分戻ればよいのかを考えて操作します。ここでいつのまにか別ウィンドウがいくつも開いていると、何回戻れたのかがわからなくなります。
このように、リンク要素に別ウィンドウを開く指定をする必要があるかどうかは、慎重に検討するべきです。特に同一ドメイン名の中でページを移動する際には、別ウィンドウを開かないようにした方が良いでしょう。
それでは、別ウィンドウの必要があるのはどのような場合があるのかを考えて見ます。次の2つの場合が考えられます。
一連のコンテンツの流れの途中で、他サイトの情報を一部見てもらう必要があり、なおかつその後は、元のコンテンツに戻ってきて続きを閲覧してもらうような場合に、「別ウィンドウが開きます」と事前に知らせた上で別ウィンドウが開くリンクを設置する。
例えば、アイ・クリエイツで提供しているカラーコントラストチェッカーの「カラーパレット」がその場合に相当します。カラーコントラストチェッカーのページを開き、背景色と文字色を入力して「結果を表示」する場合は、同じウィンドウが遷移して結果のページが開きますが、「カラーパレット」は別ウィンドウで開くように設定しています。
ホームページを編集中に何度もチェックしたい場合は、別ウィンドウで「カラーパレット」のウィンドウを開いておいて、結果をチェックしながら、元のウィンドウではチェック対象のホームページを確認することができます。
むやみに新しいウィンドウを開いてはならない。別ウィンドウにする必要がある場合のみ設定すること。